2010年11月29日月曜日

海峡の街、下関

壇ノ浦と関門橋
下関は日本の歴史で2度、クローズアップされます。一つが壇ノ浦の戦いでもう一つが下関戦争の舞台となったときです。双方とも、下関が海峡の街だったことが大きく影響を受けています。下関と文字の間に横たわる関門海峡は日本海から瀬戸内海へと抜ける、重要なルートになっています。古代から中国、朝鮮半島からの使者は関門海峡を通って大和の地へと向かっています。

この関門海峡を一望できる展望台があります。下関市街から車ですぐの場所にある、火の山展望台です。8時から22時まで開業しているので夜景も見られます。でもやっぱり歴史の流れと海峡の熱気を俯瞰するには昼間がいいでしょう。右のほうを見れば、関門橋があり、その橋脚の近く(上の写真の赤丸)が壇ノ浦です。ここには壇ノ浦の戦いのモニュメントが設置され、多くの観光バスが停車する観光地になっています。また、下関の市場にも近く、非常ににぎやかな場所です。

前田砲台跡と航行する船
一方、右の写真の赤丸は下関戦争で連合軍に占領された「前田砲台」があった場所です。この場所は下関市街から少し離れた場所にあって、住宅街にまぎれた分かりにくい場所にあります。また大きなモニュメントなどもなく、ただの草むらにちょっとした目印が置いてあるだけという、非常に簡素な史跡になっています。個々には駐車場もなく、わたしがいったときも誰もいませんでした。

この海峡に西洋の軍艦が溢れ、長州藩の狂気が砲撃として火を噴く。なかなか歴史のダイナミズムを感じられる眺めです。また占領された前田砲台では記念撮影が行われました。その写真が下の白黒写真です。なんとも歴史の一ページという感じがします。


占領された前田砲台、この後、大砲は世界各国へと
運ばれて現在でも展示されているものもあります。