2010年12月9日木曜日

ジブラルタル海峡はアクアラインぐらい

宇宙から見たジブラルタル海峡、左側が欧州
地中海の出口側の突起部がジブラルタル
ジブラルタル海峡は地中海唯一の出口として戦略的に重要な場所になっています。またアフリカとヨーロッパを隔てる距離は最小で14キロ、東京湾アクアラインが15キロあまりなので、その距離とほぼ同じくらいです。この隔たりがアフリカとヨーロッパを分けたと同時に、さまざまなドラマを生みました。古代カルタゴはこの海峡を渡ってヨーロッパへと侵攻し、また、オランダ、スペイン、フランス、イギリスなどヨーロッパの覇権を争う列強諸国によってジブラルタルの争奪が繰り広げられます。

現在はスペインに囲まれているものの、イギリスの海外領土となっています。そのため行政権はイギリスに属し、イギリス海軍が駐屯し、ジブラルタルポンドが通貨として流通しています。スペインは返還交渉を行っているものの、住民のコンセンサスが取れず、現在でもイギリス領のままです。

因みに、ジブラルタル海峡の最狭部はジブラルタルより西方、スペイン領内のアルヘシラスです。ただ、このジブラルタルには難攻不落の砦や補給基地が建設されたことで、この場所が地中海の覇権を握る上で重要な存在になりました。現在は国際海峡として航行の自由が保障されているため、平時における緊張状態は全くないといっていいでしょう。

ジブラルタルへはスペイン側から陸路で入れます。また観光地となっているため、ユーロも利用可能とのことです。