2011年2月28日月曜日

萩と山口、いまはひっそり


萩の長屋跡 現在は資料館になっている

幕末から明治初期、さらには日本の近代史において長州藩、山口県出身者の果たした役割は非常に大きいです。吉田松陰、高杉晋作や山縣有朋、伊藤博文と誰でも名前を知ってる歴史上の偉人がこの地に生を受けます。長州藩が時代の中心に位置したのは、本当に時代のめぐり合わせであったと思います。蛤御門の変や長州征伐、下関戦争で長州藩は大揺れになります。しかし、戦争で負けたことを素直に受け入れることで、薩長同盟から戊辰戦争を経て政治の中心へと進みます。

しかし、吉田松陰の松下村塾があった萩市や萩から政庁が移転した山口市は、現在、ひっそりとした街になっています。このひっそり感はにぎやかで人の大らいが多い海峡の街、下関とは対照的です。

どうしてこうなったのでしょう。もしかしたら長州出身者は明治以降も中央政府で要職に就きやすく、優秀な人材が東京へと流れていったから、かも知れません。また近隣の広島市や北九州市、福岡市などの発展から交通の便の悪い両市が取り残されてしまったからかもしれません。いまとなっては政治や文化の中心から遠く距離を置いて、過去の熱気を伝える歴史の街になってしまった感は否めません。


山口の藩庁門跡
ただ、観光するには昔の雰囲気が保存された街、という意味で面白いです。歴史的な建造物の周りに大きな建物は少なく、昔の景色もきっとこんな感じだったんだな、と思いにふけることが出来ます。また山口から萩へは山間の国道をとおりますが、街道「萩往還」もこういう山の中を通っていたのかと、感じることも出来ます。

山口へは新幹線の新山口駅が便利です。周辺はそれほど商業施設はありませんがビジネスホテルと小さな歓楽街があります。飛行機では山口・宇部空港からか萩・石見空港へのアクセスが一般的です。双方とも東京・羽田から直行便が運行されています。