2011年3月1日火曜日

東京、建築散歩

東京には有名な建築物がたくさんあります。歴史のある建物、有名な建築家によるもの、世界遺産の候補になるようなものまで、街中にゴロゴロしています。一部は取り壊され、またリニューアルされる形で残っているものもありますが、散歩のテーマとして建築は面白いです。

旧来の東京中央郵便局
右の写真は東京中央郵便局です。今ではもうこの形では残っていませんが、歴史のあるモダニズム建築です。効率化と資産の有効利用という観点から立て替えられたのですが、旧来の建築が失われてしまうのを惜しむ声は大きかったです(政治的に歴史的建物の保存が利用されたのは非常に残念でした)。ただ、建物は有効に利用されてこそのものです。残す部分は残して、有効利用するというのは間違いではないと思います。もちろん建築当時のまま保存され、有効に使われるのは意味のあることではあります。建物はシンプルで装飾は少ないですが、どことなく優雅でかつ、規律ある姿をしています。なかなかすばらしいものだと思います。



新国立美術館の外観
左の写真は新東京国立美術館です。設計は黒川紀章さんです。なくなられる前に一度講演会に参加しましたが、年をとられてからも意欲的に活動され、弁の立つ方だった記憶があります。彼の主題は自然との共生です。モダニズム建築が人間主義として、その後を担う思想として共生を掲げておられました。確かに構造は曲線的で風や波のような姿をしています。人間の独善を省みて、自然を建築に取り入れる、これからの常識だよ、と言っていたのが印象に残っています。なお、新国立美術館には旧第三連隊の司令部跡も残されていて、そちらは2・26事件の歴史を残すモニュメントになっています。