2011年12月23日金曜日

分断の象徴 板門店に行って来た

ソウルから車で一時間少々、距離にして40キロの場所に板門店はあります。北朝鮮軍と国連軍、韓国軍の共同警備地区(JSA)となっている場所ですが、非常に複雑な場所でもあります。共同警備とはいえ板門店を分断する形で軍事境界線が引かれていて、その北側を北朝鮮軍、南側を国連軍が警備します。

 写真の青い建物が会議場で南北の様々な問題を協議する場所になっています。会議場の真ん中を境界線が横切っており、中央の小道の砂利の部分が南側で砂利の無い側が北朝鮮になります。緑の服を着た兵隊が北側からの不測の事態に備えて警備をしていますが、これは南側からの亡命を防ぐ意味もありそうです。北朝鮮の兵隊は白い建物の玄関にいます。一人がこちらを監視していますが、隣の小窓からもカーテン越しにこちらを伺っています。

会議場の内部の見学も出来ます。この内部だけは北側への越境も可能です。議場中央部に置かれたテーブルのマイクの位置が境界線となっており、数分の見学時間の間は自由に往来できます。この議場にも警備の兵士がいますが、彼らはサングラスをかけて直立不動を保っています。動きや視線が北朝鮮側の言いがかりの原因になって来たことに対応するためです。

左の写真は北朝鮮側から撮影しています。撮影は比較的自由に行えますが、兵隊の醸し出す緊張感が議場全体を包んでいます。また北側に通じる扉へと不用意に近づくと「亡命の意思あり」と判断され、警備兵が対応することになると説明されました。

板門店へはソウルから団体ツアーでの参加が原則。個人での見学は不可能。朝から周辺の観光も含めて半日コースになっている。費用はHISなどを通せば割高になるものの探せば5,000円台から申し込めるものも。どこで申し込んでも結局同じツアーになるので安い方がいいかもしれません。申し込みは10日ほど前に締め切られ、また参加にあたって様々な規制(国籍から年齢、服装などまで)があるので注意が必要です。