2012年5月30日水曜日

ギリシャの経済問題とシェンゲン協定

ヨーロッパを訪問する際、日本人をはじめとした特定の国の国民は簡易な入国審査となります。また滞在期間や滞在目的によるビザの違いもヨーロッパ各国で統一的な運用がなされています。これはヨーロッパ各国がシェンゲン条約を締結し、自国民の移動の利便性を確保すると同時に、他地域国民の入域に関しての運用を統一しているためです。

ギリシャの代表的観光スポット
Flikrより archer10さん撮影)
しかし、問題もあるようです。ここ数年、ギリシャの経済問題が大きくクローズアップされ、公務員の多さや生産性の低さが問題視されるようになっています。この問題がシェンゲン協定にも影響しているようです。ギリシャの入国管理はもちろん公務員が行っているのですが、服務に怠慢が見られるようで、ギリシャ経由でシェンゲン協定国へと入国してそのまま不法滞在へと繋がるケースが多いようです。

もちろん地理的なものもあるでしょう。小アジア、中東からの不法入国者は東方から入域するため、ギリシャが玄関になるのも当然です。しかしやはり公務員の仕事に対する取り組み方も悪いのでしょう、一時はギリシャをシェンゲン協定国から除外するとまで警告される事態に至りました。

ギリシャの主要産業は観光です。観光にとって面倒なビザ取得は百害あって一利なし、です。シェンゲン協定に残れなくなったら、それこそギリシャは破綻へと突き進むでしょう。なおギリシャのユーロ圏からの離脱がまことしやかにささやかれるようになっていますが、ユーロの採用とシェンゲン協定に直接の関係はありません。