2011年4月7日木曜日

東京の坂、自転車で周る

坂巡りをしたときに撮った写真の組み合わせ
関東平野の海側の端にあたる東京には多くの川が流れ込んでいて、その川ごとに谷が形成され、標高差にして十メートル程度の起伏がたくさんあります。谷や窪は地名にもつけられていて、渋谷、四谷、荻窪、市ヶ谷などはくぼ地や谷が昔からあった場所を表します。また坂の付く地名も、赤坂、中野坂上、神楽坂など多数あり、東京が起伏に富んだ場所であることが分かります。

そんな東京を散歩するには自転車がぴったりです。路線バスも捨てがたいですが、坂を実感するには自転車でしょう。急坂が続くといった場所はほとんどなく、途中で階段になったとしても押して登れます。東京の散歩の一つの手段として自転車での坂めぐりは楽しいです。

坂はいたるところにありますが、外堀通りをはさんで南北に多くあります。これは江戸城の外堀が自然の谷を利用して造られたことに由来します。谷の底を流れる川を浚渫し、一定の深さの堀を作り、排出された土砂で周辺に盛り土をすることで生活できる土地を広げたといわれています。

なお地名には災害時の被害を予想する効果もあります。大規模河川が中心部にないため、大規模な洪水に襲われることがめったにない23区ですが、前述のような地名、大久保(大窪からの転化)や市ヶ谷、荻窪といった場所には水が集まりやすいか溜まりやすく、比較的洪水が起きやすい場所になっています。数年前に西荻窪の善福寺川が氾濫したのも記憶に新しいところです。

地形以外にも地名にまつわる話はとても興味深いものがあります。東京ではファッションの最先端地域になった青山ですが、ここは江戸時代初期、ただの荒野だったといわれています。武功を立てた青山さんが「いまから馬で一周できた土地を上げよう」と家康公から言われ、一周してきた場所一帯が青山になったとの説があります。なかなか面白いです。