2011年1月26日水曜日

アルハンブラ宮殿に行きたい

スペイン南部地域は15世紀末までイスラム教徒が支配した地域でした。8世紀頃からアフリカからイベリア半島に進入したイスラム勢力はイベリア半島を支配下に置きました。しかし、キリスト教徒との対立は強く、次第にヨーロッパ諸国によって押し戻され、最後のイスラム王朝、ナスル朝の時代には小さな地方を支配するまでに衰退しました。

アルハンブラ宮殿(wikipediaより、Elenea94撮影)
最後のイスラム国家となるナスル朝の時代、首都に定められたグラナダは独自の発展を遂げ、ヨーロッパにおけるイスラム建築の傑作「アルハンブラ宮殿」を今に残します。宮殿と名づけられていますが、城塞都市としての機能を持ち、城壁内には政治や軍事、教育施設が建設されるなど、ナスル朝の拠点となっています。

建築様式はイスラム建築の色合いが強く、また宗教上の理由から壁画や彫像ではなくタイル張りの内装が施されています。こうしたイスラム様式の建造物が今に残っているのは、スペインの文化の多様性を残す一つの象徴と言っていいと思います。

また、イスラム教徒にとってはヨーロッパで領土を失った今でも、文化の一端がその地に根付いていることを誇りに思う、そんな文化遺産のようです。なお、アルハンブラ宮殿は周辺の建造物や街並みと合わせて世界文化遺産に指定されています。

グラナダへはマドリードから航空便があるほか、鉄道や長距離バスでアクセスが可能です。しかし、鉄道ではマドリードから4時間以上、バルセロナからは11時間以上かかる長距離移動になります。